[最新一覧へ]

第94回 河川調査に行ってきました

 海響館3階には、下関を流れる木屋川の生きものたちを展示した水槽があります。そこで、今回のお魚探検隊では、海響館の1コーナーを担っている木屋川のことをもっと良く知る為に、私たち飼育員が行っている河川調査の模様をお伝えしたいと思います。
 木屋川は、長門市俵山の山中から始まって、下関市東部を縦断するように流れ、周防灘に注ぎ込む流域面積264.0平方km、長さ43.7kmの2級河川です。ちなみに、この川は山口県内有数のゲンジボタルの生息地で、梅雨入り前の時期になると、下関市豊田町、菊川町の河岸で見事な光の舞を見ることができます。
 10月20日に行った河川調査の模様をお伝えしていきましょう。
 午前9時30分、海響館の開館とともに私を含めた飼育員3人は、開館作業もそこそこに木屋川へむかって出発。ちなみに、木屋川の調査地点は6箇所あり(図1を見てね)、今回はその中の下流から4つ目の地点で調査を行いました。調査地点に到着後、まずは川の状況を知るために、川に入って川幅、水深、流速、水温などを計測しました。出発前なかなか天気も良かったので、これは暖かくて絶好の調査日和だ〜と思っていたのですが、ところがどっこい水温を測ってみると18度、ウェットスーツを着ていても身震いする程の冷たさで、出発前の予想を覆すちょっと大変な調査になりました(川のどのようなところを計測したかは図2を見てね)。どうにかこうにか、この冷たさをこらえ川の計測が終了すると、時計の針がちょうど12時を指していたので、ここでひとまず休憩。
 近くのうどん屋で腹ごしらえして、胃が落ち着いたところで、いよいよ生物調査を開始。まずは、潜水して水生生物の生活風景を観察しました。この時、川の中では、石の影に隠れてこちらを窺うアカザや、目の前をふてぶてしく行ったり来たりするカワムツなど様々な生き物が、私たちにいろいろな仕草や表情を見せてくれました。30分間じっくり観察をした後、3人が各々見た生物の種類や数などの情報を持ち寄り、生物の種数や生息数を話し合い、集計。それから、生息している生物の大きさなどの状態を知る為に、45分間かけて採集を行いました。川の中を自由自在に泳ぐ魚たちの動きはとても敏しょうで、1尾捕らえるだけでも大変苦労しました。45分経過後、やっとのことで捕らえた数尾から十数尾の魚を持ち寄り、全長(頭の端から尾ビレの先まで)を測定、記録。測定後、多くの魚は川へ返しましたが、種類がはっきりしない魚たちは水族館へ持ち帰り、同定(図鑑などと見比べ、種類をはっきりさせる事)を行いました。ちなみに、同定した後の魚たちは、現在、水族館の予備水槽で元気に生活しています。これで、全ての調査が終了し、調査器材を車に積み込み、寒さにちょっと震えながら帰路につきました。
 以上が10月20日に私たちが木屋川で行った調査の一部始終です。なお、この調査は11月、12月も行う予定にしていますので、木屋川近辺にお住いの方は、ひょっとしたら、この調査の光景を見掛けることがあるかもしれませんね。
木屋川
▲図1
測定箇所
▲図2
木屋川の様子アカザ
カマツカ
モクズガニ




魚類展示課 藤井 幹雄

[最新一覧へ]
ホームへ戻る