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第98回 カスザメ三姉妹飼育日記


 2005年の4月7日、海響館に下関市内の漁協からエイのようなサメのような魚が捕れたという連絡が入り、確認したところカスザメでした。
 カスザメは北海道〜沖縄の砂泥底に生息している、エイのように平たい体をしたサメの仲間です。
 その時捕れたのは全長約120cmのメスと80cmのオスの2匹でした。さっそく持ち帰り、まずは予備水槽で飼育することになりました。当然、いきなり餌を食べるはずもなく落ち着かない様子で泳いでいましたが、「まぁ、落ち着けば餌も食べてくれるだろう」と思ってました…。 

 あくる日、出勤してきた私は昨日のカスザメの様子を見に行き我が目を疑いました。
 「あら!?なんか小さいのがおるなぁ……生まれちょる!!」
 水槽の中を良く見ると昨日まではいなかった20cmくらいのカスザメがちょろちょろ泳いでいるではありませんか。しかも、メスが2匹。カスザメは胎生で一度に約10匹の胎仔を産むといわれています。今回産まれたのは2匹だけだったので、もしかしたら出産の途中に漁師さんの網にかかったのではないでしょうか。しかし、このままでは親に食べられてしまう危険性もあるので、他の水槽で親と分けて飼育することにしました。
 飼育を始めていきなり最初の壁が立ちはだかりました。餌です。当然のことながら冷凍の餌には見向きもしません。甲殻類を食べているということから、殻を外したヤドカリを与えてみましたが…仲良くしています。次に活きたハゼを与えてみると…食べました!ハゼがカスザメの口に近づくと一瞬のうちに襲いかかり丸飲みでした。普段は砂の中でじっとしていますが、このときばかりはサメの血が騒ぐようです。なにはともあれ一安心。
カスザメカスザメの赤ちゃん餌を食べる瞬間

 その後、冷凍の餌にもすっかり餌付いてきた4月18日、再び海響館に一本の電話が入りました。
 「なんか平ぺったい魚が捕れたけど、いるかい?」とのこと。
 もしや…と思いとりあえず受け取りに行きました。漁協について漁師さんに案内されたイケスを覗いてみると…。
 小さなカスザメ(♀)でした。大きさも飼育中の個体とほとんど同じで約20cm。
 「このサメも今年産まれたんやろかなぁ。」
ということで海響館に持ち帰り、先の2匹と一緒に飼育することにしました。
 その後、夏の展示も無事にこなしカスザメ三姉妹はスクスクと成長していきました。産まれた時、約20cmだった全長は今では30cmを超え、体重にいたってはおよそ倍に…おそるべし。
 最近の悩みは飼育水槽が狭くなってきたことです。カスザメは成体になると150cmを超えると言われていて今の水槽より大きくなってしまいます。このまま順調に成長していけば、いつの日か大きな水槽で再び皆さんに会えるかもしれませんね。


魚類展示課 清家 和洋

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